CASE STUDY ビタミンC×レチノール同時配合
ビタミンCとレチノールを、1本に。
「同時配合はできない」とされてきた処方が、形になるまで
透明感のビタミンC、ハリのレチノール。どちらも人気の成分ですが、この2つは本来同居できません。安定するpHが正反対だからです。片方に合わせれば、もう片方が壊れていく——だから「2本使い」が当たり前でした。このページでは、その常識を越える処方が、ご相談からどう進んで納品に至るのかをご説明します。
これまでにお受けした複数のご相談に共通する流れを、典型例として再構成したものです。特定のお客様・製品・案件を示すものではありません。記載している数値・条件はすべて当社の公開技術情報および製品開発ページに基づいています。実際の処方・期間・仕様は案件ごとに異なります。
よくある出発点
ご相談は、だいたい次のような形で始まります。
ビタミンC美容液とレチノール美容液の2本使いを、1本にまとめられないか
レチノールを入れたいが、ビタミンCとは喧嘩すると言われた
ビタミンC配合を謳いたいが、店頭で茶色く変色したことがある
他社で「その組み合わせは無理」と断られた
最後のケースは実際に少なくありません。断られる理由には、はっきりとした技術的な根拠があります。
なぜ「できない」とされてきたのか
アスコルビン酸(ビタミンC)とレチノールでは、成分が安定して存在できるpHが異なります。しかも、重なりません。
アスコルビン酸
(ビタミンC)
pH 3〜3.5
酸性側で安定
両立できない
レチノール
pH 5〜6
中性寄りで安定
ビタミンCに合わせて酸性にすればレチノールが分解し、レチノールに合わせればビタミンCが酸化して分解・変色していく。どちらを立てても、もう一方が犠牲になります。このため2成分の同時配合は、業界の常識として困難とされてきました。
pHの制約を、酸素側から外す
そもそもアスコルビン酸が低いpHを必要とするのは、酸化から身を守るためです。ならば、酸素そのものを断てばどうか——これが特許技術「脱酸素製法®」(特許第7398164号)の発想です。
仕込みから充填、そしてお客様の手元に届くまでの全工程で酸素との接触を極限まで排除します。酸化の脅威が下がることで、アスコルビン酸をレチノールの安定するpHに近づけることが可能になり、2成分が1本の中で共存できるようになります。
| アスコルビン酸残存率 | 90%以上(40℃6ヶ月/常温3年相当)。同条件の通常製法は10%以下で、9倍以上の安定性です |
|---|---|
| 測定方法 | HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による実測 |
| 実現できる処方 | ビタミンC+レチノール配合の高機能オールインワン美容液、「1本で完結するエイジングケア」処方 |
※数値は当社の安定性試験によるものです。実際の残存率は処方・容器・保管条件により異なります。詳細は脱酸素製法®のページをご覧ください。
ご相談から納品までの進み方
技術の話より、実際どう進むのかを知りたい——というお声をよくいただきます。典型的な流れは次のとおりです。
打ち合わせ・企画提案
どんな方に、どう使ってほしい製品なのかを伺います。この段階で「化粧品として出すか、医薬部外品として出すか」の方向性も確認します。アスコルビン酸を有効成分とした医薬部外品処方もご用意しています。
処方開発・容器提案
使用感(とろみ・伸び・浸透感)、香りの有無、容器の形状とデザインを詰めていきます。脱酸素製法は容器・充填とセットの技術のため、容器選定は処方と並行して進めます。容器・化粧箱の手配やデザインのご提案も承っています。
試作・サンプル確認
コンセプトと仕様が固まったら試作品をご提出します。実際に手に取っていただき、使用感のご要望を反映して調整を重ねます。ご納得いただけるまで、何度でも対応いたします。
初回提出まで 約2週間処方・容器決定・薬事確認
仕様確定後、薬事申請を進めます。表示・成分名・法定表示の確認は専門担当が行います(この工程には社内で内製したAIチェックツールも併用し、確認漏れを防いでいます)。
最終見積り・発注・製造・納品
原料・容器を手配し、ISO 22716(化粧品GMP)認証の品質体制のもとで製造します。納品後も、リピート生産やリニューアルのご相談を継続して承ります。
ご注文から納品まで 約1.5〜3ヶ月(新規の場合)※納期は資材の納期・処方・製法・数量(ロット)により異なります。
ご相談前に決まっていると早いこと
すべてが決まっている必要はありません。「コンセプトだけある」段階からご相談いただけます。ただ、以下が固まっていると進行がスムーズです。
| 製造ロット | 100本から対応しています。調合釜との兼ね合いがあるため、詳細は営業担当にお尋ねください |
|---|---|
| 化粧品 / 医薬部外品 | 訴求したい内容によって変わります。アスコルビン酸を有効成分とした医薬部外品処方(化粧水・美容液)をご用意しており、香料の変更にも対応しています |
| 支給原料の有無 | ご支給いただく場合、安全性を証明する書類が必要です。起源・製法・規格・生菌数などのデータをご用意いただくとスムーズに進みます |
| 容器 | 弊社で容器・化粧箱等の資材を手配することが可能です。デザインのご提案も承ります |
| デオキシマーク®の使用 | 脱酸素製法で製造した製品には、商標登録済みの「デオキシマーク®」を付与できます。消費者に「酸化から守られた処方」を訴求する手段としてご活用いただけます |
よくあるご質問
「その組み合わせは難しい」と言われた処方こそ、ご相談ください。
処方のご提案、安定性データの詳細、対応可能な製品カテゴリについて
開発担当がお答えします。コンセプトだけの段階でも構いません。