DX INITIATIVES DXへの取り組み
化粧品を作っている会社が、なぜAIシステムを内製しているのか。
答えは単純です。お客様の処方を速く、正確に、確実に形にするためです。在庫の欠品、薬事チェックのミス、FAXの取り違え——小さなロスが積み重なってお客様の信頼を損なう。それをひとつずつデジタルで潰していった結果が、このページにまとめた事例です。
従業員60名の化粧品ODMメーカーが、生成AIを開発パートナーとして従来比1/10のコストで動くシステムを作り続けています。
最終更新:
AI駆動型アジャイルDX
従来の1/10のコスト・期間で内製化を実現
薬事チェック
1ラベルの処理時間
画像検査AIによる
全数検査
市販MES比の
ライン可視化コスト
外注比の
開発コスト
代表事例 WHAT WE BUILT
「現場が本当に困っていること」から始まる開発。外部ベンダーに頼らず、生成AIを開発パートナーとして活用しながら、必要なシステムを内製しています。まず、お客様の製品づくりに直結する3件を紹介します。
薬事AIチェックシステム
課題
化粧品の裏面表示(成分・法定表示等)の薬事法規確認は専門知識が必要で、担当者の目視チェックに時間がかかりヒューマンエラーのリスクもあった。
やったこと
裏面表示をOCRで読み取り、製品名・成分表示・リサイクルマーク・製造販売元を網羅的に照合する一次スクリーニングツールを内製。専門担当者による最終判断の前工程に置き、AIに薬事判断そのものを代替させない設計とした。
成果
1ラベルの一次スクリーニングを 27秒で完了。チェック漏れの防止と確認作業の大幅な効率化を実現。
お客様にとって
表示チェックの一次確認が短時間で終わるため、校正戻しの往復が減り、担当者は判断の必要な箇所に集中できます。
使用技術
製造ライン 画像検査AI
課題
完成品の個数検査を目視に頼っており、検査員の負荷と見逃しのリスクが残っていた。ライン速度に合わせた高速・安定した判定が求められていた。
やったこと
既設のカメラと既設PCだけを使い、従来アルゴリズムと物体検出AIという別方式のダブルチェック体制を内製で構築。「疑わしい判定だけを機械が絞り込み、人が確認する」監査を毎日実施している。
成果
実ラインで1日約7,000枚を全数検査(判定は1枚0.01秒)。数ヶ月の連続稼働で、充填異常により流れた個数不一致トレイ11枚を全て検出・排出した実績。追加ハードウェア投資ゼロ(既設カメラ・既設PCのみ、ソフトは全て内製)。
お客様にとって
個数不足の完成品が出荷される経路を、目視だけに頼らず塞いでいます。
使用技術
製造ラインIoT LineBoardシステム
課題
製造実績の手書き記録・重量データの手動集計・進捗状況をリアルタイムに共有する手段がなく、現場の意思決定に遅れが生じていた。
やったこと
Raspberry Piで製造ラインから進捗・重量データをリアルタイムに取得し、4ラインの状況を現場の端末に表示。表示端末には廃棄予定だったiPad mini 第1世代を再活用した(高度なJSが動作しないため軽量設計を採用)。
成果
市販MESの1/100以下のコストで構築。製造実績・重量検査データを電子化し、QC証跡を自動蓄積。
お客様にとって
進捗と重量検査の記録が自動で残るため、製造の実績を後から確認できます。
使用技術
その他の取り組み
上記のほかにも、現場から出た課題を順に内製で解決しています。
大阪・関西万博
展示会アプリ
概要
「究極のオーダーメイド化粧品」をテーマに、来場者が肌診断から香り作り・容器デザインまでをバーチャル体験できるシステムを5社共同プロジェクトとして半内製で構築。アプリ・コンテンツ作製を担当。
使用技術
FAX自動仕分け
+ダッシュボード化
課題
複数種類のFAX(発注書・注文書等)が届くたびに手作業で仕分け。「あのFAX来た?」「これ誰宛?」という口頭確認が日常的に発生していた。
使用技術
成果
AI-OCRが種別・担当者・緊急度を 自動判定・振り分け。口頭確認を減らし、「聞かなくてもわかる」業務環境を実現。
3Dプリンターによる
治具の内製
課題
製造・検査・梱包の各工程では、製品形状に合わせた治具(位置決め・保持・ガイド)が欠かせない。市販品では形状が合わず、必要になるたびに手配していると時間もコストもかさむ。
使用技術
成果
3種類・累計100個以上の治具を自社で製作。追加でかかる費用は汎用フィラメントの材料費のみ。現場の要望に合わせて短期間で製作・改良でき、工程に最適化した治具を継続的に供給している。
業務自動化
スクリプト基盤
課題
受発注・在庫・原価・各種報告など、日次・週次の定型業務に手作業が多数残り、担当者ごとに属人化していた。
使用技術
成果
連絡票作成・棚卸・危険物計算・FAX処理・原料マスタ更新など37本のスクリプトを自動実行。Salesforce・Google Sheets・社内システムを横断連携し、定型業務をほぼ無人化。
基幹システム
内製開発
背景
外部パッケージへの依存を排し、自社業務に完全最適化した基幹システムを内製。売上・在庫・アラートを一元管理する「攻めのDX基盤」として整備中。
使用技術
狙い
開発コストは 従来比1/10以下。内製主導により、将来の機能拡張も自社で即対応できる体制を構築。
成分浸透の
分子シミュレーション
背景
成分が角質層をどう通るかは実験での評価に時間がかかり、配合設計の仮説検証がボトルネックになりがちだった。
使用技術
狙い
角質層を模した脂質膜への成分浸透をMDで解析し、計算科学で配合設計の“当たり”をつける研究開発を推進中。
※研究段階のシミュレーション例で、特定製品の浸透性能を示すものではありません。
攻めのDXを、守りの体制とセットで SECURITY & GOVERNANCE
生成AI・内製開発を全社で推進する一方、お客様からお預かりする処方・ブランド情報などの機密データを守る体制を整えています。
IPA(情報処理推進機構)が推進する「SECURITY ACTION」の二つ星を宣言。情報セキュリティ基本方針を策定・公開し、お客様からお預かりする処方・ブランド情報などの機密データを適切に保護する体制を整えています。
情報セキュリティ基本方針(PDF) >推進体制 HOW WE WORK
代表取締役がDX推進責任者を兼任し、DX担当チームと週次で直接MTGを実施。稟議不要の即断即決体制が、従来の4倍以上のスピードを生み出しています。
外部DX専門アドバイザーが週次で伴走し、アーキテクチャ設計とコードレビューを支援
まずやってみる
月次「改善アイデア発表会」で現場発の提案を共有。優秀な提案は即実装を検討し、失敗を許容するPoC文化を根づかせています。提案件数は前年比3倍に。
データで判断する
在庫・受注・製造データをダッシュボードで可視化。経験と勘による判断をデータに基づく意思決定へと変革し、在庫集計時間を90%削減しました。
AIを味方にする
ClaudeCode・Gemini CLI等の生成AIを開発パートナーとして積極活用。全社員向けのAI活用研修を四半期ごとに実施し、組織全体のデジタルリテラシーを底上げしています。
DXロードマップ 2023 → 2028
Phase 1 | 2023年度(完了)
紙帳票からの脱却
- 手書き帳票のデジタル化
- 在庫管理システム導入
- Salesforce導入・活用開始
- RPA導入(基礎自動化)
Phase 2 | 2024年度(完了)
データ統合・連携
- 在庫管理システム × Salesforce API連携
- Pythonによる自動化スクリプト構築
- BIツールによる可視化基盤整備
Phase 3 | 2025〜2026年度(進行中)
見える化・AI活用
- 薬事AIチェックシステム本番運用
- FAX自動仕分け・ダッシュボード化
- 万博DXシステム(5,000名が体験)
- 製造ライン画像検査AIの導入
- 業務自動化スクリプト基盤(37本を自動実行)
- 生成AI(ClaudeCode・Gemini)活用による内製開発加速
- 基幹システム内製開発中
- ISO 22716(化粧品GMP)認証取得・製造工程電子化
Phase 4 | 2027〜2028年度(計画)
外部展開・高度化
- IoTセンサー導入・製造工程の最適化
- DXノウハウの外部発信・業界向け勉強会開催
- DXソリューション外販の検討
- 「小ロット・短納期・高品質」データドリブンODMとして確立
よくある質問 FREQUENTLY ASKED QUESTIONS
DXにより、お客様の化粧品をより正確に、スピード感をもって形にします。
このページで紹介した取り組みは、お客様の処方を速く・正確に・確実に形にするための基盤です。
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